学生時代は自動車関係の学部で学び、自動車業界の技術革新や製品開発に関わる仕事に興味を持っていました。ワイズトレーティングを知ったのは、就職活動中に自宅の郵便受けに会社説明会の案内が入っていたことがきっかけです。この業界は今後も需要があり、さらなる成長が見込まれます。そして、新たな製品を世の中に生み出していく自動車業界に身を置けば、貢献度の高い仕事に就けると感じ、志望しました。
入社時は、技術や業界知識の不足が不安でしたが、研修や実務経験を通じて早い段階で足りない部分を埋めることができました。当社は未経験でもしっかりと知識を身につけられる研修に定評があり、専門知識であっても習得のハードルを比較的安定して超えられます。社内研修で基本的な知識を身につけることがプロジェクトスタート後のOJTに繋がります。私の場合、エンジンの解析や流体のシミュレーションなどのOJTを通じて一気に知識の幅が広がりました。社内研修で学んだコミュニケーションスキルによって周囲と良好な関係が築け、先輩や上司から優しく教えてもらえます。仕事はなんでもそうだと思いますが、知らないことを知ろうとする好奇心や探究心を持って、自ら積極的に学ぶ姿勢を持てば、誰でも着実に成長していける思います。
前のプロジェクトでは、ガソリンエンジンの吸排気と筒内のCFD解析を担当していましたが、現在は車両の音振解析を行っています。車両の音信解析は、車内の「乗り心地」を解析するものです。感覚思考になりがちな分野ですが、車内で聞こえるエンジン音やその他、乗り心地に関するものを数値化して論理的に快適さを追求しています。たとえば、周波数によっては人間の体調に影響を与えることもあるため、1秒間あたりの周波数の振動を図り、人体に影響の少ない数値を導き出します。車内の乗り心地は、車のバネやタイヤなど、車の設計を左右する部分にも繋がってきます。日々の仕事でいろいろな車に乗ることで、自分好みの乗り心地のもの、快適さを極限まで追求したものなど、車の見方が変わりました。乗り心地にこだわるユーザー様は、車のグレードにもこだわるため、商品展開の際に必要となる貴重なデータ分析であることも念頭に置きながら、日々仕事に取り組んでいます。
エンジニアとしての仕事のやりがいは、自動車の安全性や環境性能の向上に貢献できることです。現代は車が排出するCO2の問題が深刻化しています。私たちの開発する技術は、そういった環境問題の解決にも大きく寄与できるものと考え、一層身が引き締まる思いです。複雑な技術課題に取り組むなかでの充実感もありますし、最新の技術と製品に関われることもやりがいに繋がっています。私たちの技術を取り入れた製品を通じて、人々の生活に直接影響を与えられる点も魅力的です。
エピソードというほど具体的な経験ではないのですが、仕事をする上で、最新技術を駆使して作業することが当たり前とされています。一方で「生身の人間の感覚が正しい」と感じることがしばしばあります。ましてや乗り心地を追求する点では、機械でなく人が乗る車のため、自分自身の感覚を研ぎ澄ましていろいろな分析を行うように心がけています。人の感覚とは、ある種、潜在意識の中でこれまでの経験が蓄積されてアウトプットされるということに近いかと思います。どんなに技術が発展しても、車をつくるのは私たち人間なので、そういった繊細な感覚も忘れずにいたいと思っています。
今後は、より高度な音振解析技術の習得や、車両の乗り心地や静粛性の向上に向けた取り組みに積極的に携わりたいです。また、新たな挑戦にも積極的に参加したいと考えています。たとえば、現在の仕事とは関係なく、社内制度を刷新する取り組みなど、会社づくりや働きやすさの向上に貢献できるようなことにも興味があります。当社は比較的トップダウンではなく、ボトムアップの風土が根付いています。一人ひとりのやりたい!やこんなことできないかな?といったアイデアや提案も柔軟に聞き入れてくれるため、積極的に意見を発信して会社の成長に繋げていきたいです。